生き霊の恐ろしさ

第一回 私の代わりに幸せになる女が憎い

「霊」というと大抵の人は「幽霊」「死霊」を思い浮かべるでしょう。しかし、霊の中には生きている人間が飛ばす「生き霊」というものもあります。人間の激しい憎悪や怨恨などの念が霊となり、対象となる相手に災いをもたらすのです。霊の中でも特に邪悪で、除霊しにくい霊といわれています。
生き霊に取り憑かれると、原因不明の体調不良を起こしたり、生気を失ったりします。中には無意識のうちに破滅的な行動を起こす人も珍しくありません。生き霊を出す側は、ほとんどの場合無自覚なのも厄介なところ。除霊・浄霊しない限り、本人が死ぬまで続くか、最悪の場合は死んでも今度は死霊となって取り憑かれます。 このコーナーでは、電話占いニコールに寄せられた今までのご相談の中で、生き霊が原因だったケースをご紹介していきます。

朱実さんは幸せの絶頂にいました。来月大好きな彼と結婚するのです。式場との打ち合わせもほぼ決まり、夢だったオーダーのウェディングドレスももう少しで完成。新居にするマンションも、先日契約を済ませました。それでもまだまだやることはあり、ヘアメイクのリハーサル、披露宴でのBGMのチョイス、二次会の幹事を任せている友人たちと打ち合わせなど、毎日がバタバタでした。
それでも、朱実さんはうれしくてたまりません。電車に乗っていても、道を歩いていても、知らず知らずのうちに笑顔になってしまいます。それは単に結婚を控えた女性だからというだけではないのでした。
朱実さんの夫となる慎一さんは、半年前まで同棲している彼女がいたのです。同棲は4年にも及び、相手の女性、美和子さんはすっかり結婚する気でいました。しかし、慎一さんにとって朱実さんは単なる浮気の相手などではなく、真剣に将来を考える相手だったのです。すでに美和子さんに恋愛感情はなく、惰性で一緒に暮らしていただけでした。
そこで、慎一さんは朱実さんと恋愛関係になってすぐ美和子さんに別れ話を持ちかけたのです。ところが、彼女は逆上し、「死んでも別れない」と宣言。それでも慎一さんが家を出ると、手首を切って死のうとしました。幸い、命に別条はなかったのですが、北海道に住む美和子さんの両親に連絡すると、彼らは血相を変えて上京してきました。そして、事情を知った彼らは美和子さんを郷里へ連れて帰ったのです。 その後、あらためて慎一さんから朱実さんにプロポーズがあり、二人 は結婚への準備を始めたというわけです。

ある日、ドレスブティックから、ウェディングドレスが完成したという連絡が入りました。ウキウキしながらブティックへ出かけドレスを試着した朱実さん。鏡に映った自分を見て、あまりの美しさに我ながら感動したのでした。
しかし、その晩のことです。眠っていた朱実さんの身体に何かが覆い被さる感覚がしました。しかも、首を絞められ、息ができません。やっとの思いでその覆い被さるものを払い抜け、ぜいぜいしながら起き上がりました。電気をつけると、そこには誰もいなく、今のは悪い夢だったのかと思った朱実さんでしたが、ふとクローゼットの扉が開いていることに気づきました。(確かに閉めたはずなのに)と不審に思い、クローゼットの中を見ると今日受け取ったばかりのウェディングドレスが、何か鋭いものでズタズタに切り裂かれているのです。悲鳴を上げた後、朱実さんはすぐ慎一さんに電話しようとしましたが、手首に力が入りません。そこで手首を見た朱実さんは再び悲鳴を上げました。手首には刃物で切ったような大きな傷ができていたのです。それっきり、朱実さんは気を失ってしまいました。

しかし、恐怖はそこで終わらなかったのです。朝になり、生気に帰った朱実さんは新聞を取って来ようとポストまで行きました。すると、ポストには白い封筒に真っ赤な液体が飛び散っている招待状がたくさん入っていたのです。恐る恐る招待状のひとつを開けると、欠席に赤い血のりのようなもので丸がついているのです。試しに他の招待状も見てみましたが、みな同じ状態でした。

慎一さんと相談の上、朱実さんは電話占いニコールにお電話をくださいました。その時の朱実さんを霊視すると、周囲は暗黒に包まれ、背中から重しが乗っているように視えました。「きっと美和子さんの仕業です」と、朱実さんは最初から決めつけていましたが、それは半分正解、半分は外れています。霊視によると、美和子さんは北海道に戻ってから一度も上京していません。朱実さんのマンションに忍び込むなど不可能なのです。第一、朱実さんの手首に気づかないうちに傷をつけるなんて、常人には不可能です。
「これは美和子さんの生き霊の仕業ですね」私の霊視結果に朱実さんは「生き霊?!」と驚いて繰り返しました。「美和子さんは北海道に帰ってからも、慎一さんをあきらめたわけではありません。いえ、もう彼に対する愛情は冷めているのです。でも、自分の恋人を奪って幸せになろうとしている貴女のことがどうしても許せず、激しい憎しみと恨みを抱いています。その念が生き霊となって貴女のもとへ飛び、恐ろしいことをしでかしたのです。このことは美和子さん自身も気づいておらず、無意識のうちに行われたことです」
朱実さんが電話の向こうで息を呑み、ガタガタ震えているのが霊視でわかりました。「怖い。このままじゃ私たちの幸せを壊されてしまうかも…」「大丈夫です。これから除霊・浄霊を行います」そう言って私はいつも除霊に使っている、独自に考えたお経を唱えました。美和子さんの執念はすさまじく、除霊は困難を極めましたが、やがて生き霊は消え去り、朱実さんに明るい光が差し込んでいるのが視えました。

以来、生き霊が現れることはなくなり、お二人は無事に式を挙げたと報告のお電話を電話占いニコールにいただきました。今後、子宝にも恵まれ、幸せな結婚生活を過ごされることが霊視でわかりました。

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