愛を邪魔する霊障

第3話 三角関係が生み出した生霊

毎回霊のお話をさせていただいておりますが、 “霊”とは死んだ者の魂を指しています。霊障を起こす霊は生前に抱えていた問題や恨み、未練などを晴らそうとしています。身体はなくなっても霊という魂だけは残っていて、意識的に生きている人間の邪魔をしようとしてくるわけです。
これに対し、生霊というものがあります。文字通り、生きている人間の魂から、恨みや嫉妬、憎しみなどの悪い想念が形となり、他者に危害を加えるのです。生霊は本人が意識しないところで、魂だけが念となって飛んでいく場合が多いもの。それだけに除霊するのが難しくなるのです。今回は、生霊に苦しめられた女性の実例を電話占いニコールに寄せられたご相談の中から紹介しましょう。

里美さん、弓子さん、誠さんは、電機メーカーの同期入社。同期から同じ部署に配属されたのがこの3人ということで、ランチはもちろん、退社後に飲みに行ったり、休日に映画や遊園地へ出かけたりと、いつも3人一緒に行動していました。いつしか里美さんの心には誠さんが住むようになりましたが、(私たちは3人でひとつ。この輪を壊しちゃいけない)と自分に言い聞かせ、恋心を胸にしまっていたといいます。
そんな状況に大きな転換期が訪れたのは、クリスマスを前にした12月中旬のことでした。ある夜、里美さんのもとへ誠さんからメールが届きます。(今、里美のマンションの近くの公園にいる。出てきてくれないか?)
なんだろうと思いながら出かけた里美さんは、誠さんから愛の告白を受けたのです。
「ずっと里美のことが好きだった。クリスマスは二人で過ごしたい」
うれしさの余り涙ぐみながら頷く里美さんに、誠さんはやさしくキスをしました。

翌日、いつものように3人でランチを食べていると、弓子さんが明るく言いました。「もうすぐクリスマスだね。3人でパーティーしようよ。どこへ行こうか?」瞬時に目を合わせた里美さんと誠さん。黙ってしまった二人を弓子さんが不思議そうに見比べています。
「ごめん、弓子」先に口火を切ったのは誠さんでした。「オレたち、つきあうことになったんだ。だから、クリスマスは二人で過ごしたい。ごめんな」 弓子さんの手からフォークが滑り落ちました。里美さんがハッとしてうつむいていた顔を上げると、強張った顔の弓子さんがすぐに笑顔を作って話し出しました。
「なぁんだ、そうだったの。二人とも水臭いなぁ。でも、よかったね。おめでとう。私も早く素敵な彼氏見つけるからさ、そしたら4人でダブルデートしようね」
屈託なく笑う弓子さんに安堵した里美さんでしたが、一瞬垣間見た彼女の強張った顔が頭に引っかかって離れませんでした。

そして迎えた、クリスマスイブ。誠さんと初めて二人きりでデートする日です。早くから目覚めた里美さんが身体を起こそうすると、両胸に激痛が走りました。「ううっ」思わずうめき声を上げ、再びベッドに倒れ込む里美さん。胸を押さえながらもう一度起きようとすると、またしても胸を固いもので殴られたような痛みが起こります。何度繰り返しても同じことで、しかも痛みはどんどんひどくなってくるではありませんか。(ダメだ。これじゃ行けない)
身を切られる思いでベッドサイドにあった携帯から、誠さんに断りの電話を入れたのです。
「わかった。じゃあ、明日にしよう。クリスマスは明日が本番だし。お大事にな」

翌日はベッドから自然に起きることができ、里美さんは安心しました。しかし、洗面所で化粧をしていると、今度は首が苦しくなってきたのです。まるで誰かに首を絞められているように…。そう思った瞬間、鏡にぼんやりと誰かの姿が映りました。髪がとても長い女性の影で、顔はのっぺらぼう。
(苦しい…助けて)そのまま里美さんは気を失ってしまったのです。

結局、誠さんとクリスマスを過ごすことができなかった里美さん。電話占いニコールにお電話をくださったのは、これが単なる偶然ではないと確信していたからでした。
霊視をして、里美さんのそばに凄まじい嫉妬の念が渦巻いているのがわかりました。女性の生霊がその念を発していることも。
「ストレートの髪が背中に届くまで伸びていて、背は小柄で細身。左目の下に大きなほくろのある女性です。覚えがありますね?」
電話の向こうで息を呑む気配がしました。しばらくして震える声で里美さんは答えたのです。
「それは…弓子です」
弓子さんも誠さんを好きだったのです。そして、誠さんの心を捉えた里美さんを激しく憎むようになりました。しかし、弓子さん自身も自分の憎悪と嫉妬は意識していません。「里美は私の親友。祝福してあげなくちゃ」と無理に思い、嫉妬や憎しみ、クリスマスを二人で過ごさせたくないという悪意を封じ込めた結果、生霊となって里美さんを襲ったのです。
私は弓子さんの生霊に、無理やり自分の気持ちに嘘をつかなくていいと説得しました。そして癒しの念を送りました。その結果、生霊は里美さんのそばから去っていったのです。

後日、里美さんからまた、電話占いニコールへお電話をいただきました。弓子さんから「本当は私も誠が好きだったの。だから、里美のこと憎んでる。もう友達ではいられない」と告げられたそうです。里美さん、弓子さん、誠さんの友情は壊れてしまいましたが、もう里美さんが生霊に襲われることはなくなるでしょう。

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